No.9 トドマツオオアブラムシ

トドマツに寄生する大きなアブラムシということから
名付けられた虫です。

トドマツは北海道の郷土樹種で、
その多くは森林内に木材を生産する目的で多く植えられていますが、
仙台市内中心部のビルの広場に環境緑化木として植えられていました。

そのトドマツが衰弱しているので診断してほしいとの依頼で駆けつけたところ、
小枝の枝分かれ部にビッシリと張り付いている虫がいました。
多くのアブラムシを観察していますが、これほど大きなアブラムシを
見たのは初めてでした。

◆ 特徴や発生の仕方
  • 4月下旬~5月上旬に卵から孵化した幼虫や成虫が幹や枝に口吻を刺して樹液を吸汁する
  • 生息する虫の数は春から夏にかけて急激に増加し、8月頃ピークに達する
  • 大きくなった樹木には寄生しにくくなるが、被害甚大の場合には枯死するものもある
◆ 被害の受けやすい種

トドマツ、モミ類

◆ 防除の方法
  • アリと共生関係があるので、その関係を断ち切る
  • アブラムシ駆除用の殺虫剤が各種販売されていますが、冬期に害虫や病害の双方に効果のある石灰硫黄合剤を散布することをお勧めします。
    これからの寒さに向けての作業です、多くの樹木に試してください。
◆ 被害の現れ方

 

 

仙台市青葉区内のビルに植えられているトドマツ

 

 

 

 

枝の分かれ部に寄生していた
トドマツオオアブラムシ

 

 

2015年1月6日
次のページは
前のページは