No.19 赤星病(さび病)

病原菌は、宿主に「さび病」としてビャクシン類に発症し、
その中間宿主に「赤星病」としてナシやボケなどバラ科の樹木を行き来しながら伝播する病気です。

宮城県利府町は「利府梨」の産地として栽培が盛んですが、
「ナシ」の木がこの病気に感染しないよう町内全ての生垣などに植えられた
カイヅカイブキ(ビャクシン類のなかま)を伐採して取り除いたということを聞いたことがあります。

◆ 特徴や発生の仕方

*カイヅカイブキなど針葉樹での発症
4~5月の雨で湿ったとき、葉や枝の分岐部に黄橙色のゼリー状(寒天状)にふくらむ塊をつくります。
こぶ状に肥大した病患部から先の枝が折れやすくなります。

*ナシやカイドウなど落葉広葉樹での発症
新葉の表面に赤橙色の丸い円斑をつくり、6月頃には太く短い毛状の菌体を群生させます。
ナシ、リンゴ、カリンなどの果実には商品価値を低下させる橙色の円形の斑点をつくります。

※病原菌は冬に針葉樹で越冬し、翌春に雨でふくれた所が破れて菌を放出して、再びナシなどの広葉樹に戻り新葉や果実に侵入します。

◆ 被害の受けやすい種

針葉樹 ➢ カイヅカイブキ、ネズミサシ、ビャクシン類
広葉樹 ➢ ナシ、リンゴ、カイドウ、カリン、ボケ等のバラ科樹木

◆ 防除の方法
  • カイヅカイブキ等のビャクシン類が発生源になるので、これらを伐採し除去するか、冬期に石灰硫黄合剤を散布し発生源をなくすことが大切。
  • 春から秋、1週間おきにジマンダイセン水和剤やトリフミン水和剤などの殺菌剤を散布する。
◆ 被害の現れ方

葉表には黄橙色の円い斑点が表れる

葉裏にはたこ足状の毛状体を出す(石巻市不動町)

2016年6月6日
次のページは
前のページは